ポケットWiFiの利用用途別のおすすめとメリットデメリット

外出自粛で、これからオンラインゲームを始めたい人も多いのではないでしょうか。

 

しかし、色んなお悩みがあって困りますよね。

• ネット回線選びで重要なポイントを知りたい
• ラグいネット回線だけは契約したくない

以上の人に向けて、オンラインゲームでラグらないネット回線の選び方とおすすめの回線をご紹介します。

 

選んで後悔しないネット回線がわかる内容なので、どうぞご覧ください。

 

 

1. オンラインゲームのネット回線の選び方

ネット回線選びで重要なのは、以下4つの条件です。

1. 通信速度
2. Ping値
3. 制限速度がないこと
4. IPv6の有無

どれからひとつでも欠けていれば、快適にオンラインゲームを楽しめません。

 

それぞれどういった条件が必要なのか、具体的に説明していきます。

 

1-1 通信速度

オンラインゲームに必要な通信速度は、下り速度で100Mbpsほどです。

 

上り速度はプレイ中であれば5Mbpsもあれば十分ですが、ゲームを配信するときは30Mbpsほどは必要になります。※ゲームにより求められる速度は異なる

 

回線速度は基地局から終端装置までの通信能力のことで、通信速度は1秒間に送受信できるデータの量を指します。

 

 

受信は「下り」送信は「上り」とも呼ばれ、単位を「ビット毎秒（bps）」で表しています。

 

オンラインゲームは、ゲーム機とサーバー間でデータの送受信を行っているため、ある程度の速度がないとスムーズにプレイできません。

 

※筆者作成

 

オンラインゲームを中心にネット回線を選ぶなら、実測値を見て判断しましょう。

 

1-2 Ping値

おおむね35ms以下ならほとんどのゲームを快適にプレイできますが、リアルタイム性が求められるものは15ms以下が理想です。（詳細は後述）

 

Ping値は「応答速度」の評価を数値化したもので、単位を「ms（ミリ秒）」で表します。※Ping値（ぴんち）と読む

 

値が低いほど応答速度は速く、ラグは少なくなります。詳細は、Ping値の測定方法とオンラインゲームなど利用用途別の目安・改善方法

 

逆に値が高くなると、ゲーム内で延滞を起こしたりエラーが発生したりして快適に遊べなくなってしまいます。

 

以上の理由から、快適にオンラインゲームで遊ぶならPing値が最も重要なのです。

 

1-3 制限速度がないこと

制限速度があると、通信速度が落ちてしまうからです。

 

たとえば、月7GBのような制限があると超過したときに128Kbpsまで低速化してしまいます。

 

しかも制限が解除されるのは翌月なので、制限がかかった月はオンラインゲームで遊べません。

 

WiMAXなど、3日間10GBのような直近の制限も同様で、混雑時間帯の18時から2時までは1Mbpsまで低速化するので、この時間帯にオンラインゲームはできないのです。

 

よって、オンラインゲームのネット回線を選ぶなら「制限がないこと」は必須です。

 

1-4 IPv6の有無

IPv6には、以下のようなメリットがあるからです。

• 通信速度が速くなる
• ラグが少ない
• 回線落ちのリスクが少ない

※回線落ち：IPv4にしか対応していないと、IPv6の普及で突然インターネットへ接続できなくなるリスクがある

 

そもそもIPv6には、「インターネットプロトコルの6番目のバージョン」という意味があります。

 

従来のIPv4では約43億個のIPアドレスしか作成できないのですが、IPv6なら無限に近い数のIPアドレスの作成が可能です。

 

IPv6は直接イーサネットとIP通信できる「IPoE方式」を採用しています。電話回線を応用したIPv4までの「PPPoE方式」よりも、スムーズにネット接続できます。

 

ただし、オンラインゲームのサーバー側がIPv6に対応していないケースもあるので、ネット回線はIPv4とIPv6のどちらにも対応しているものを選びましょう。

 

2. 各回線の実測値とPing値

1. 光回線の実測値とPing値
2. モバイルWiFiの実測値とPing値

下記から、順番にみていきましょう。

 

2-1 光回線の実測値とPing値

光回線の実測値とPing値を、以下の表にまとめました。

 

 

下り速度はコミュファ光、上り速度はNURO光、Ping値ではイッツコムひかりが最も速いことがわかります。

 

2-2 モバイルWiFiの実測値とPing値

モバイルWiFiの実測値とPing値は、以下のとおりです。

 

※（）内はモバイルルーター端末の機種名（端末によっても通信速度やPing値は異なる）

 

オンラインゲームに必要な「下り100Mbps・上り30Mbps（配信）」「35ms以下」をクリアしているモバイルWiFiは皆無であることがわかります。

 

ゲーム内でのPing値は違う

上記の通信速度やPing値は、あくまでも「測定サイト」のサーバーへ接続したときの結果です。

 

測定サイトとゲームではサーバーが異なるので、ゲームへ接続したときのPing値を測定サイトで正確に測る事はできません。

 

しかも、サーバーは接続先によって異なるので、ゲームごとにサーバーは異なります。

 

※筆者作成

 

基本的にゲームのプレイ中は、Ping値を測定することができません。

 

そのため、測定サイトで通信速度やPing値を測定するしかないのです。※ただし、一部のゲームではPing値を表示させることも可能

 

Ping値でネット回線を選ぶときは、以上に注意してください。

 

3. ゲームの種類別・必要なPing値

ゲームの種類によって必要なPing値は異なります。

 

以下に、ゲームの種類別に必要な速度とPing値をまとめました。

 

Ping値	評価	快適にプレイできるゲーム
1〜15ms	かなり速い	FPS／TPS
16〜35ms	速い	MOBA／RTS
36〜50ms	普通	RPG
51〜100ms	遅い	TCGなど
101ms	かなり遅い	-

ゲームのジャンル

• FPS：主人公目線で武器を持って戦場で戦うシミュレーションゲームの一種
• TPS：上記FPSの視点が、主人公を追う第三者になったもの
• MOBA：複数のプレイヤーが敵味方に分かれて、味方と協力して敵の本拠地を破壊する
• RTS：第三者の視点で指示を与えて敵を倒す
• RPG：制作者が考えた物語をプレイヤーが進めていく
• TCG：販売されている専用カードを使って行うカードゲーム

RPG以外はプレイしない人にとって、Ping値が15ms以下である必要はありません。

 

しかし、第三者が使うケースやほかのジャンルに興味を持つ可能性があるなら、Ping値の低いネット回線を契約した方がいいでしょう。

 

4. おすすめのネット環境

オンラインゲームを中心に選ぶなら、光回線一択です。

 

通信速度（実測値）とPing値、「どちらの条件も満たしているのは光回線だけ」だからです。しかも、「通信の安定性」においても光回線が優れています。

 

そもそも光回線は光ファイバーで通信しているので通信が安定しているのですが、モバイルWiFiは無線で通信しているため安定しないのです。

 

私もモバイルWiFiを利用していますが、モバイル回線は通信が安定しません。

 

※筆者作成

 

たとえば、平均が100Mbpsであっても10Mbpsや150Mbpsまで常に変動するようでは安定しているとはいえないのです。

 

光回線は、通信が安定しているので通信速度が大きく下がることはありません。

 

ただし、回線業者によっては通信障害の回数が多いこともあるので注意が必要です。

 

通信障害に関する口コミ

光回線契約してやっとネット繋がると思ったら、初期設定でネット環境求められるというよくわからない仕様だし、パソコンで設定ツールソフトダウンロードしろとかいうけど、今月通信障害だし、パソコン立ち上げようと思ったら故障して動かないし、ASUSコールセンター電話したら対応雑でむかついてもう嫌

— コミュ翔 (@contpode) April 24, 2020

 

アマプラ観ながらツイッターすると、通信障害起きる。

家庭の光回線のWiFi。

— チャゲ?? (@ChagePua) April 16, 2020

 

5. 実際の口コミで見る各光回線のオンラインゲームとの相性

 

 

 

 

 

＞＞その他のオンラインゲームとインターネット回線についての口コミを見る（全30件）

 

6. おすすめの光回線

おすすめの回線は、NURO光です。前述した通信速度やPing値から判断すると、最もバランスが取れていることがわかります。

 

しかも、戸建てだけでなくマンションでも2Gbpsのコースが選べる点も魅力です。

 

ただし、NURO光は利用できるエリアが限られています。

 

引用：NURO光公式サイト

 

通信速度なら、コミュファ光ですが、こちらも、提供エリアが東海地方に限定されてしまいます。

 

全国で利用できる光回線なら、auひかりがおすすめです。

 

通信速度はNURO光やコミュファ光にやや劣りますが、Ping値は20msを切っています。

• 19都道府県にお住まいならNURO光
• 東海地方で通信速度を重視するならコミュファ光
• NURO光以外の地域ならauひかり

オンラインゲームの用途なら、上記3社がおすすめです。

 

7. 光回線なのにラグる時の改善法

光回線でラグるときの改善法は、以下のとおりです。

1. ゲーム機やパソコンの「DNS設定」を変更する
2. ONUやルーターを確認する
3. 有線接続へ切り替える
4. プロバイダのサービスを確認する
5. オンラインゲームに向いた光回線へ乗り換える

下記から、詳しく説明していきます。

 

改善法�@：ゲーム機やパソコンの「DNS設定」を変更する

PS4やNintendo Switch、Xbox Oneなら問題ないはずですが、これらでもラグるならDNS設定を変更することでPing値を安定させられることもあります。

 

パソコンも同様で、5年以内のものならDNS設定による改善も期待できるでしょう。

 

確実に改善できるとは限らないのですが、試す価値はあるので手順をご紹介します。

1. Nintendo SwichのDNS設定変更
2. PS4のDNS設定変更

※パソコンについては各メーカーのHPを参照
※MTU値（1フレームで転送できるデータの最大値）の変更で改善されることもあるが、回線業者で値が変わるので割愛

 

下記から、簡単に解説していきます。

 

Nintendo SwichのDNS設定変更の手順

Nintendo SwichのDNS設定変更の手順は、以下のとおりです。

1. HOMEボタンを押してHOMEメニューを表示させる
2. 設定（歯車のアイコン）>インターネット設定
3. 「有線接続」を選択
4. 「設定の変更」を選択
5. 「DNS設定」を選択して手動にする
6. 「優先」を「008.008.008.008」もしくは「001.001.001.001」
7. 「代替」を「008.008.004.004」もしくは「001.000.000.001」
8. 「保存する」を選択して完了

上記を試してみて速度が遅くなるなら、5の手動を自動へ戻しておきましょう。

 

PS4のDNS設定変更の手順

PS4のDNS設定変更の手順です。

1. 設定>ネットワークを選択
2. 「インターネット接続を設定する」を選択
3. LAN設定>「LANケーブルを使う」を選択
4. 「カスタム」を選択
5. 「IPアドレス設定」は「自動」
6. 「DHCPホスト名」は「指定しない」
7. 「DNS設定」を手動にする
8. プライマリーDNSを「8.8.8.8」もしくは「1.1.1.1」へ変更
9. セカンダリーDNSを「8.8.4.4」もしくは「1.0.0.1」へ変更
10. 「MTU設定」を自動
11. 「プロキシサーバー」を使わない
12. 「インターネット診断」をする

Nintendo Swich同様、速度が遅くなるなら7のDNS設定を自動に戻してみてください。

 

改善法�A：ONUやルーターを確認する

新しいONUやルーターなら、再起動や設定の変更で改善されることもあります。

 

ルーターの寿命はおおむね5年ですが、5年以上使い続けているなら買い替えも検討しましょう。ONUやルーターを使い続けると、ラグや回線落ちの原因になるからです。

 

プロバイダからレンタルで提供されることが多いのですが、交換を依頼したり家電量販店でスペックの高いゲーム専用のものを購入したりするのもいいでしょう。

 

まとめると、一度再起動や設定の変更を試してみても改善しないようなら、思い切って買い替えを検討してみてください。

 

改善法�B：有線接続へ切り替える

無線（WiFi）接続なら、LANケーブルを使って有線接続へ切り替えましょう。

 

無線の電波は、壁や床といった「障害物」や電子レンジなどの「電化製品」などの干渉を受けやすいので、優先接続よりも通信が安定しません。

 

LANケーブルで接続する際は、LANケーブルの「カテゴリ」は必ず確認してください。

 

引用：NURO光公式サイト

 

カテゴリの数値が小さいと規格が古く、たとえば「カテゴリ5」は100Mbpsまでの通信速度にしか対応していません。

 

1Gbps以上の光回線でもカテゴリ5のLANケーブルなら、通信速度は遅くなってしまうのです。

 

無線接続なら、「カテゴリ6以上」のLANケーブルで有線接続にすることをおすすめします。

 

改善法�C：プロバイダのサービスを確認する

プロバイダの通信方式が、PPPoEである可能性もあるからです。

 

PPPoE方式は、サイトやコンテンツがIPv6に対応していたとしても最大200Mbpsにまでしか対応できません。

 

仮に1Gbps以上の光回線であっても、能力をフルに発揮できないのです。

 

しかも、PPPoEは時間によって混雑を起こしてしまうリスクもあります。

 

引用：NTTPCコミュニケーションズ公式サイト

 

プロバイダがIPoE方式の「v6プラス」や「IPv4 over IPv6」などを提供していれば、通信速度の延滞は起こりにくくなります。

 

 

プロバイダがIPoEに対応していないなら、IPoE対応のプロバイダへ変更しましょう。

 

改善法�D：オンラインゲームに向いた光回線へ乗り換える

上記までの原因に該当しないなら、光回線へ乗り換えることも検討しましょう。

 

周辺機器やプロバイダをいくら見直しても、元凶である回線元が悪い場合は打つ手がないからです。

 

オンラインゲームに向いた、速度やPing値の優秀な光回線をおすすめします。

 

前述のとおり、NURO光、コミュファ光、auひかりなどは、実測値が優れていて評判も上々です。

 

乗り換えには多額の費用がかかりますが、最近はキャッシュバックが用意されていたり乗り換えにかかる費用を負担してくれたりするものもあります。

 

回線事業者が提供する特典を上手に利用すれば、少ない負担で乗り換えられるのです。

 

8. マンションでケーブルテレビの回線はけっこう苦しい

ケーブルテレビには、同軸ケーブルといってテレビと共通のケーブルを使っているからです。

 

詳しくは、光ファイバーと同軸ケーブルのハイブリッドシステム「HFC方式」が採用されているのですが、最大320Mbpsが限界です。

 

すべてが光ファイバーの光回線に対して、分配ノードから宅内までを同軸ケーブルを用いるHFC方式は通信品質が劣るうえノイズも発生してしまいます。

 

※筆者作成

 

特に影響を受けるのは「上り速度」や「Ping値」です。

 

実際に、同じ会社のケーブルテレビの速度と光回線の速度を比較してみましょう。

 

Ping値	評価	快適にプレイできるゲーム
1〜15ms	かなり速い	FPS／TPS
16〜35ms	速い	MOBA／RTS
36〜50ms	普通	RPG
51〜100ms	遅い	TCGなど
101ms	かなり遅い	-

同じ回線業者でも、ケーブルテレビの上り速度は光回線の約10分の1しか出ないうえに、Ping値は8msも高いことがわかります。

 

お住まいのマンションがケーブルテレビの設備しか導入されていないなら、戸建て向けプランを検討するのもいいでしょう。

 

※たとえば、NURO光ならマンションでも戸建てプランで契約できる（ただし、大家さんの許可が必要な場合は多い）

 

9. モバイルWiFiは向かない理由

モバイルWiFiが、オンラインゲームに向かない理由です。

• 下り速度が100Mbpsに満たないことが多い
• 上り速度は30Mbps以下
• Ping値は35msより高い

そもそもモバイルWiFiは無線接続なので、通信速度は有線接続に及びません。

 

どのモバイルWiFiもキャリアの回線を利用していることから、Ping値も高いのです。

• WiMAX：UQ コミュニケーションズ（KDDI系列）
• クラウドSIM：SoftBank
• 無制限WiFi：SoftBank

WEBページを閲覧したり動画を視聴したりするなど通常の使い方ならモバイルWiFiでも問題ありません。

 

しかし、リアルタイム性や通信速度が求められるオンラインゲームは光回線を契約しないと、普通にプレイすることもままなりません。

 

以上の理由により、モバイルWiFiはオンラインゲームに向かないのです。

 

10. まとめ

今回は、オンラインゲームでラグらないネット回線の選び方とおすすめの回線をご紹介しました。

 

以下に、これまでの内容をまとめました。

• 重要なのは速度、Ping値、無制限、IPv6の4つ
• リアルタイム性が求められるゲームはPing値が重要
• オンラインゲームなら光回線が向いている
• 光回線ならNURO光、コミュファ光、auひかりがおすすめ
• ラグるときは機器側やプロバイダ、回線元を確認・変更する
• ケーブルテレビやモバイルWiFiはおすすめできない

ひと括りにオンラインゲームといってもジャンルは多種多様ですが、光回線を選んでおけば好きなジャンルが変わっても楽しむことができます。

 

自分に合いそうな回線を、じっくりと検討してみてください。