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1Mbpsでできることを128Kpbsと比較しながら解説

この記事では、

  • 1Mbpsで何ができるのか
  • 逆にできないことはあるのか
  • 「Mbps」という単位は何を表すのか

そこで今回の記事では、通信速度1Mbpsでできることやダウンロードの速度をご紹介します。

 

このページの要点を動画にまとめていますので、読むのがたいへんな方はぜひご覧ください。

 

 

 

1. 1Mbpsとは?

「1Mbps」が一体何を表しているのか、5つの観点から説明します。

  1. 1Mbpsとは?
  2. 1Mbpsとは何の速度を指すのか
  3. 1MBとの違い
  4. 128Kbpsとの違い
  5. どんなときに1Mbpsになるのか
  6. 【モバイルWiFi各社】速度制限の一覧

 

下記から、詳細を見ていきましょう。

 

1-1 1Mbpsとは?

先に結論をいうと、1Mbpsは回線の速度のことです。読み方は「メガビーピーエス」で、「ビット毎秒(bits per second )」などとも呼ばれます。

 

簡単に説明すると、「1秒間に伝送できるデータの量」のことです。

 

「Kbps」は毎秒1,000ビット、「Mbps」は毎秒100万ビットを表しています。たとえば、7Kbpsなら1秒間に7,000ビット、3Mbpsなら1秒間に300万ビットのデータを伝送していることになります。

 

以下は、よく使われる単位です。

  • K(キロ)bps:毎秒10,000ビット
  • M(メガ)bps:毎秒100万ビット
  • G(ギガ)bps:毎秒10億ビット
  • T(テラ)bps:毎秒1兆ビット

※Kbpsはkbpsと表示されることも多い

 

1秒間に伝送できるデータ量が多いほど、回線速度は「速い」といえます。

 

1-2 1Mbpsとは何の速度を指すのか

「制限後の速度」を表す場合は、「下り速度」であることがほとんどです。回線の速度は2種類あって、それぞれに分けて計測されます。

 

下り速度(ダウンロード):受信するときの速度
上り速度(アップロード):送信するときの速度

 

WEBの閲覧や動画の視聴などで使用するときは「下り速度」、SNSや動画の投稿するときは「上り速度」です。

 

1-3 1MBとの違い

1MB(メガバイト)は「データの容量」を表しています。つまり、1Mbpsとは以下のような違いがあります。

  • 1MB:データの容量
  • 1Mbps:回線の速度

「1MB=1,024KB」ですが、近年は1,000KBで計算されることもあります。単位はビット毎秒のときと同じ、キロやメガなどです。

 

  • 1KB(キロ):1,024バイト
  • 1MB(メガ):1,024KB(約100万バイト)
  • 1GB(ギガ):1,024MB(約10億バイト)
  • 1TB(テラ):1,024GB(約1兆バイト)

 

1Mbpsなら1MBのファイルを何秒でダウンロードできるのか、下記で後述します。

 

1-2-1 1MBのファイルを何秒でダウンロードできるのか?

1Mbpsの回線速度で、1MBのファイルをダウンロードに要する時間です。

  • 1MB:約8秒
  • 5MB:約40秒
  • 10MB:約80秒

つまり、1MBのファイルをダウンロードするのに8秒前後の時間がかかります。

 

1-4 どんなときに1Mbpsになるのか

決められた月間容量の上限を超えたときです。「7GBプラン」なら7GB、「30GBプラン」なら30GBを超過すると、通信速度が低下します。制限されたときの通信速度は、事業主やプランによって異なります。

 

たとえば「どんなときもWiFi」なら384Kps、「WiMAX」の使い放題プランなら1Mbps、7GBプランなら128Kbpsといったように、事業主やプランでバラバラです。

 

※どんなときもWiFiに月間容量はないが、著しくネットワークを占有するなどの理由で制限されることがある

 

各社の制限時の通信速度については、下記で詳しく後述します。

 

1-5 【主要モバイルWiFi】速度制限の一覧

主要モバイルWiFiの通信制限により、低速化した際の速度を調査しました。結果を、以下の表にまとめています。

 

プラン 通信制限 制限後の速度
Broad WiMAX ライトプラン 7GB 128Kbps
ギガ放題プラン 3日間10GB 1,000Kbps
Pocket WiFi Pocket WiFiプラン2 3日間10GB 1,000Kbps
どんなときもWiFi データ放題プラン 著しいネットワークの占有 384Kbps
※海外利用 1日1GB 256Kbps
ネクストモバイル 20GB/30GBプラン 20GB/30GB 128Kbps
使い放題プラン 著しいネットワークの占有 128Kbps

※どんなときもWiFiの「海外利用」はプラン名ではない
※他社と比較しやすくするため、「1Mbps」を「1,000Kbps」と表記

 

上記4社の中で、制限後の速度が最も速いのは「Broad WiMAX」や「Pocket WiFi」の1Mbpsです。つまり、1Mbpsは制限後の「通信速度としては速い」部類に入ることがわかります。

 

「著しいネットワークの占有」とは

厳密にいうと、「明確な容量」というのは存在しません。ネットワークの負荷は、利用者数や時間帯といったタイミングによって変動するからです。

  • 高画質の動画を長時間視聴
  • 長時間ゲームをする

上記の使い方なら、特に制限を気にすることもないでしょう。

 

ただし、「ネットストレージ上にある1TBのデータを送受信」のような大容量通信を何度も繰り返すことで、制限されてしまう可能性はあります。

 

上記のような特殊な使い方は例外としても、通常の利用で制限がかかることはありません。

 

2. 1Mbpsでできること

1Mbpsでできることを、以下の表にまとめました。

 

128Kbps 1Mbps 100Mbps前後
LINEやメール ★★★ ★★★★★ ★★★★★
WEBサイトやSNSの閲覧 ★★★★ ★★★★★
地図・ゲームアプリ ★★★★ ★★★★★
標準画質の動画 ★★★ ★★★★★
音楽・アプリのダウンロード ★★ ★★★★★


評価

  • ☆:不可
  • ★:一部不可
  • ★★:耐えられるレベル
  • ★★★問題ないレベル
  • ★★★★ストレスなし
  • ★★★★★快適

 

下記より、1Mbpsの速度を項目ごとに、128Kbpsと比較しながら見ていきましょう。

 

なお計測は、https://note.cman.jp/network/speed.cgi のサイトを利用しております。

 

項目@:LINEやメール

LINEやメールであれば、1Mbpsでも特に問題ありません。

 

必要なデータ量の目安
必要なデータ量の目安 128Kbps 1Mbps
メール 5KB/1通 0.3秒 0.1秒
LINE メッセージ:2KB/1通 0.1秒 0.1秒
スタンプ:10KB/1通 0.6秒 0.1秒


メールの場合は、128Kbpsと1Mbpsともに使用に問題がないほどスムーズです。LINEのスタンプでは128Kbpsなら少しだけ遅くなりますが、利用に問題のない範囲です。

 

1Mbpsは、メッセージでもスタンプでも時間に差がありません。

 

メッセージなら、1Mbpsと128Kbpsのどちらでも快適です。では、LINEのほかの機能はどうなのか見てみましょう。

 

ビデオ通話でも何とか使える

LINEのビデオ電話に必要なデータ量は、メッセージや通話よりも多いです。

 

必要なデータ量
必要なデータ量 128Kbps 1Mbps
LINE 通話:300KB/分 19.2秒 2.5秒
ビデオ通話:5MB/分 5分27.7秒 41.9秒


同じLINEで1Mbpsであっても、データ量の多いビデオ通話は何とか使えるレベルです。

 

128Kbpsの場合、LINE通話であっても実用的とはいえないほど時間がかかってしまいます。

 

1MbpsでメールやLINEを利用する場合、特に問題はないでしょう。

 

項目A:WEBサイトの閲覧

1Mbpsですと、WEBサイトの閲覧は内容によりますが、ストレスのないレベルでは利用できます。

 

必要なデータ量の目安
必要なデータ量の目安 128Kbps 1Mbps
ニュースサイト 1MB/1ページ 1分 8.4秒
通販サイトなど 2MB/1ページ 2分 16.8秒
Twitter 1MB/1ページ 1分 8.4秒
Instagram 5MB/1ページ 5分30秒 41.9秒


一方の128Kbpsの場合は、WEBサイト1ページを閲覧するのに1分以上もかかってしまいます。ストレスなくスムーズに閲覧することは不可能です。

 

1Mbpsであれば、通販サイトであっても15秒前後での閲覧ができます。

 

1Mbpsと128kbps

引用:楽天モバイル公式サイト

 

ただし、SNSでも高画質な写真を投稿しているInstagramになると1分近くの時間を要します。

 

項目B:地図・ゲームアプリ

地図・ゲームアプリも1Mbpsなら、WEBサイトの閲覧同様にストレスなく利用できます。

 

必要なデータ量の目安 128Kbps 1Mbps
Googleマップ 3.1MB/1回 3分20秒 26秒
Appleマップ 1.7MB/1回 1分50秒 14.3秒
Yahoo!カーナビ 3.7MB/1回 4分 31秒

※使い方は現在地から目的地までを拡大/縮小で確認しながら使用する場合
※ゲームアプリは多岐にわたるため割愛

 

通信速度が128Kbpsの場合は、どの地図アプリも利用は難しいことがわかります。一方の1Mbpsなら、問題なく利用することができます。

 

実際に、両者の通信速度を比べた画像を見ていきましょう。

 

1Mbpsと128kbps

引用:楽天モバイル公式サイト

 

アプリの起動からTOP画面の表示までの所要時間は、1Mbpsが約2秒です。一方の128Kbpsは、非表示のまま固まっていることがわかります。

 

1Mbpsと128kbps

引用:楽天モバイル公式サイト

 

1MbpsのGoogleマップは、目的地の設定もスムーズです。128Kbpsは、23秒後にようやくTOP画面のマップだけが表示されました。

 

1Mbpsと128kbps

引用:楽天モバイル公式サイト

 

1MbpsのGoogleマップは、ナビゲーション機能も問題なく利用できます。128KbpsのTOP画面が完全に表示されるのは、起動から約40秒後のことでした。
目的地の入力やルートの表示、案内開始までは相当時間がかかることでしょう。

 

起動からTOP画面の表示に少しだけ時間はかかるものの、1MbpsならGoogleマップをスムーズに利用できることがわかります。

 

項目C:標準画質の動画

1Mbpsなら、YouTubeの標準画質であれば問題のないレベルで視聴できます。

 

画質 必要なデータ量の目安 128Kbps 1Mbps
YouTube 低画質 120MB/1時間 2時間10分 16分46秒
標準画質 324MB/1時間 5時間53分 45分18秒
Hulu 低画質 210MB/1時間 3時間50分 29分21秒
中画質 630MB/1時間 11時間28分 1時間28分
Netflix 低画質 250MB/1時間 4時間33分 35分
中画質 500MB/1時間 9時間6分 1時間10分


標準画質相当でも、Huluの中画質やNetflixの中画質はデータ量が多いため、少々遅く感じてしまうでしょう。

 

一方の128Kbpsは、低画質であっても動画の視聴には向いていないことがわかります。

 

以下から、1Mbpsと128KbpsでYouTubeを視聴したときの画像を見ていきましょう。

 

1Mbpsと128Kpbs 動画視聴

引用:楽天モバイル公式サイト

 

アプリの起動直後は、1Mbpsのスマホ画面に「読み込み中」の表示が出ていることがわかります。一方の128Kbpsは「読み込み中」の表示はなく、サムネイル画面で止まっています。

 

1Mbpsと128Kpbs 動画視聴

引用:楽天モバイル公式サイト

 

1Mbpsはスムーズに動画が再生されていますが、128Kbpsは途中でエラーが発生しています。

 

1Mbpsと128Kpbs 動画視聴

引用:楽天モバイル公式サイト

 

1Mbpsは順調に再生されていますが、128Kbpsはサムネイル画面から再生されずに読み込み中の表示が出て、再度エラーが発生してしまいます。

 

1Mbpsと128Kpbs 動画視聴

引用:楽天モバイル公式サイト

 

128Kbpsの動画は3秒ほど再生しましたが、3度目のエラーを起こしています。

 

1Mbpsと128Kpbs 動画視聴

引用:楽天モバイル公式サイト

 

1Mbpsの動画が終わるころには、128Kbpsも再生されていました。しかし、1Mbpsは最初以外では読み込み中にならなかったのに対して、128Kbpsは3度もフリーズしています。

 

標準画質の動画であれば、1Mbpsでも問題なく視聴できることがわかりました。

 

項目D:音楽・アプリのダウンロード

1Mbpsは音楽なら問題ありませんが、アプリのダウンロードには少し時間がかかります。

 

名称 必要なデータ量の目安 128Kbps 1Mbps
音楽 iTunes 4MB/1曲 4分22秒 33.6秒
アプリ PayPay 120MB/1アプリ 2時間11分 16分46秒
Uber Eats 200MB/1アプリ 3時間38分 28分
メルカリ 186MB/1アプリ 3時間23分 26分
マクドナルド 29MB/1アプリ 31分 4分

※アプリは内容によってデータ量が異なる

 

1Mbpsですと音楽を1曲ダウンロードするのであれば問題ありませんが、128Kpbsでは1曲で理論上4分以上。伝送効率やパケットロスによる停止も考えると、現実的には厳しいです。

 

100MBを超えるアプリのダウンロードは、1Mbpsでも時間がかかり、128Kpbsですと問題外です。

 

ただし、通信速度1Mbpsなら5MB以下のサイズの小さいアプリなら2〜3分以内にはダウンロードできます。

 

3. 1Mbpsでは難しいこと

逆に、1Mbpsでは厳しいことも一覧にしました。

 

用途 1Mbps
高画質の動画を視聴
サイズの大きなアプリ
オンラインゲーム
大きな容量のデータのダウンロード


【評価】

  • ☆:不可
  • ★:一部不可
  • ★★:耐えられるレベル
  • ★★★問題ないレベル
  • ★★★★ストレスなし
  • ★★★★★快適

下記から、順に見ていきましょう。

 

項目@:高画質の動画

1Mbpsでは、高画質の動画の視聴はできません。

 

サービス 画質 データ量 所要時間
YouTube 高画質 1GB/1時間 2時間23分
Hulu 高画質 1GB/1時間 2時間23分
Netflix 高画質 1GB/1時間 2時間23分


低画質や標準画質ならスムーズに視聴できた1Mbpsでも、高画質の動画は視聴できないのです。

 

そもそも高画質の推奨速度は2.5Mbpsなので、やはり視聴は厳しいことがわかります。

 

1Mbpsで高画質な動画を視聴するなら、ダウンロードしたあとに視聴するなどの工夫が必要です。

 

項目A:サイズの大きなアプリ

サイズの大きいアプリも、ほとんどがダウンロードできません。

 

アプリ名 データ量 所要時間
ポケモンマスターズ 718MB/1アプリ 1時間40分
ドラゴンクエストV 538MB/1アプリ 1時間15分
モンスターハンターライダーズ 224MB/1アプリ 31分


200MB以下のアプリなら耐えられるレベルではあったのですが、200MBを超えると時間がかかり過ぎて厳しくなってしまいます。

 

1Mbpsに制限されているときは、できるだけサイズの小さいアプリをダウンロードしましょう。

 

項目B:オンラインゲーム

実は、ほとんどのオンラインゲームは1Mbpsもあれば十分です。

 

データ量 所要時間
オンラインゲーム 150MB/1時間 31分


しかし、データの更新やFPSなどのオンラインゲームなど「反応速度」が求められるゲームは、一筋縄ではいかないこともあるので注意が必要です。

 

FPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)とは:主人公の視点でゲーム中の世界を任意に移動して武器などで敵と戦うアクションゲームのこと。

 

なぜ反応速度が求められるオンラインゲームはスムーズにプレイできないことがあるのか、下記で理由を説明します。

 

応答性が求められるオンラインゲームに通信速度は関係ない

応答性が要求されるオンラインゲームは、通信速度よりもPing値(ぴんち)という応答速度が大きく関係します。

 

通信(回線)速度との違いは、以下のとおりです。

  • Ping値:データの要求から応答までのタイムラグ
  • bps(ビット毎秒):1秒に伝送できるデータの量

Ping値の単位は「ms」で表します。値が小さいほど応答性が高くなるため、通信環境は良くなります。

 

以下は、Ping値のおおまかな目安です。

 

評価 Ping値
かなり速い 1〜15ms
速い 16〜35ms
標準 36〜50ms
遅い 50〜100ms
かなり遅い 100ms以上


回線の混雑状況によってPing値は高くなることがあり、高いと応答性を要求されるゲームには向かないのです。

 

項目C:大容量データのダウンロード

クラウドサーバー上にあるデータが大容量なら、1Mbpsではダウンロードできません。

 

データ量(一例) 所要時間
クラウドサーバー上のデータ 1GB 2時間23分


最近はSDカードやUSBではなく、クラウドサーバー上に写真や動画といったデータを保存する人が増えてきました。

 

使用容量が少ないと1Mbpsでも問題ないのですが、容量が多いとダウンロードは難しくなります。

 

1Mbpsの制限がかかる前にダウンロードを済ませておいたり、制限のないモバイルWiFiを利用したりする必要があります。

 

4. まとめ

今回の記事では、通信速度1Mbpsでできることやダウンロードの速度をご紹介しました。結論をいうと、普通の使い方なら1Mbpsあれば十分です。

 

制限後の通信速度として128Kbpsと比較するなら、その差は大きなものがあります。

 

しかし、「Instagramのように写真が多いSNS」や「YouTubeの高画質」は厳しいだけに、すべての面で「快適」とはいえないでしょう。また、SNSや動画への投稿も諦めなければなりません。

 

そもそも低速化を避けるなら、制限のないモバイルWiFiを選ぶことが大切です。

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