10月からWiMAXの解約金が1000円に変更 新料金プランの内容と変更点
改正電気通信事業法に基づいて、10月1日からWiMAXの違約金(契約更新月以外の解約金)が1,000円に変更となります。それに伴って、新料金プランが開始される旨が、UQ WiMAXのホームページで発表されています。
私もWiMAXユーザーですので新料金プランについて細かく調べているところです。
新料金プランでは、自動更新期間より前に解約した際の料金が大幅に安くなるほか、契約期間も2年に短縮されます。ユーザーにとってはメリットだらけですが、注意点がある事も事実です。
このページでは、旧料金プランと新料金プランの比較や、旧料金プランの利用者が新料金プランに変更をできるか等を中心に、私がUQ WiMAXに問い合わせた内容をまとめています。
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新料金プランの月額料金、違約金、違約金
新料金プランでは、「2年の自動更新あり」なら月額3,880円で利用できるほか、「自動更新なし」や「期間条件なし」といったプランまで用意されています。
新ギガ放題プラン | 旧ギガ放題プラン | |
---|---|---|
月額料金 | 3,880円 | 4,380円 |
WiMAX | 上限なし | 上限なし |
LTE (auエリア) | 7GB/1,050円 | 7GB/無料 |
契約年数 | 2年 | 3年 |
契約解除料 | 1,000円 | 14,000円(2年で解約) |
※新ギガ放題プランの月額料金は2年自動更新を選択
※新ギガ放題プランのLTEオプションは使った月だけ発生
なお、新料金プランの提供に伴って従来の「UQ Flatツープラス」と「UQ Flatツープラス ギガ放題」のプランは9月30日をもって新規受付が終了してしまいます。
従来の契約期間は2年契約のほかにも3年契約が用意されていましたが、新料金プランは2年契約だけです。
新料金プランのメリット
- 1.「契約期間」や「期間条件なし」を選べる
- 2.月額料金が安くなっている
- 3.違約金が安くなっている
- 4.旧WiMAXからの乗り換えがお得
下記から、詳しく解説していきます。
メリット@:「自動更新なし」や「縛りなし」を選べる
新料金プランは契約期間こそ2年だけですが、更新や条件なしといった選択肢が増えています。
- 期間条件なし:契約期間そのものがない
- 2年自動更新なし:2年後の自動更新がない
- 2年自動更新あり:2年後の自動更新が適用される
従来のWiMAXの契約では、更新月に解約しないと自動的に更新されていました。新料金プランは、「自動更新なし」を選ぶことで契約は更新されません。
また、契約期間は必ず決められていたので途中で解約すると多額の違約金が発生していましたが、「期間条件なし」を選べば短期間の解約でも違約金を払う必要はなくなります。
縛りや自動更新の有無を選べるようになったことが、新料金プランのメリットです。
メリットA:月額料金が安くなっている
新料金プランは、月額料金が改定されました。旧料金プランと新料金プランを比較すると、以下のようになります。
旧料金プラン | 月額料金 |
---|---|
UQ Flatツープラス(2年/3年/4年) | 3,696円 |
UQ Flatツープラス ギガ放題(2年/3年) | 4,380円 |
新料金プラン | 月額料金 |
---|---|
2年自動更新あり | 3,880円 |
2年自動更新なし | 3,880円(25ヶ月目以降4,050円) |
期間条件なし | 4,050円 |
ギガ放題だけの新料金プランは、旧料金プランのUQ Flatツープラスと変わらない月額料金で利用することができます。UQ Flatツープラスが7GB/月であることを考えると、かなり安くなっていることがわかります。
月額料金が安くなりWiMAXを利用しやすくなったことも、新料金プランのメリットです。
改正電気通信事業法は「行き過ぎた期間拘束の是正」
総務省では「モバイル市場の競争環境に関する研究会」「ICTサービス安心・安全研究会 消費者ルールの検証に関するワーキンググループ」における議論を踏まえて検討を進めていました。
結果、以下のように規定されたのです。
契約期間の上限 | 2年(違約金の定めがない場合を除く) |
---|---|
定期契約違約金の上限 | 1,000円 |
定期契約の有無による料金差の上限 | 170円/月 |
端末割引の上限 | 20,000円 |
なお、上記の違約金上限や料金差の上限額は総務省が実施した「パブリックコメント」や」MMD研究所が行った「民間アンケート調査」などの結果が色濃く反映されています。
メリットB:違約金が安くなって更新月が増えている
電気通信事業法の改正に伴い、違約金の金額が見直されたからです。旧料金プランは更新月以外で解約する場合、解約するタイミングによって違約金が異なりました。
旧料金プランの解約金
- 1〜12ヶ月目19,000円
- 13〜24ヶ月目14,000円
- 25ヶ月目以降9,500円
新料金プランは更新月以外の解約でも一律で1,000円のうえ、更新月も範囲が広くなっています。
新プラン・旧プランの契約更新月
旧料金プランの更新月 | 新料金プランの更新月 | |
---|---|---|
2年契約 | 25ヶ月目 | 24ヶ月目、25ヶ月目、26ヶ月目 |
3年契約 | 37ヶ月目 | - |
旧料金プランの更新月が満了月の翌月1ヶ月間だったのに対して、新料金プランでは満了月当月と翌月、翌々月の「3ヶ月間」が更新期間となったのです。
違約金に関するペナルティが減って解約しやすくなったことも、新料金プランの大きなメリットです。
メリットC:旧WiMAXからの乗り換えがお得
旧WiMAXのサービスが2020年3月31日をもって提供が終了するため、移行キャンペーンが実施されているからです。新規で新料金プランを申し込むよりも、旧WiMAXから新WiMAXの新料金プランへ乗り換えたほうがお得に利用できます。
移行キャンペーン | ギガ放題プラン |
---|---|
月額料金 | 3,696円 |
割引価格対象期間 | 2年 |
旧WiMAXサービス契約解除料 | 0円 |
端末代金 | 0円 |
ただし、「期間条件なし」ならキャンペーン適用期間である2年間は月額3,866円です。「2年自動更新なし」なら26ヶ月目以降はキャンペーン期間が終了するため、月額4,050円になります。
また、「2年自動更新あり」を選んで更新期間(24〜26ヶ月目)以外に解約すれば、違約金1,000円が発生します。旧WiMAXからの乗り換えならさらに安くなることも、新料金プランのメリットです。
新料金プランの注意点とデメリット
- 1.月間7GBの「フラットツープラスプラン」が終了
- 2.2年契約だとauエリアが無料にならない
- 3.「期間条件なし」や「自動更新なし」は月額料金が上がってしまう
各注意点について、下記から詳しく見ていきましょう。
注意点@:月間7GBの「フラットツープラスプラン」が終了
新料金プランでは、「ギガ放題プラン」しか取り扱っていないからです。旧料金プランでは月7GBの「フラットツープラン」が用意されていて、ギガ放題プランよりも安い月額料金で利用できていましたが新規では受け付けなくなってしまいます。
ただし、「新ギガ放題」と「フラットツープラスプラン」の月額料金に大きな違いはないので、フラットツープラスプランにあえて加入するメリットはほとんどありません。
新料金プランは、フラットツープラスプランに入れない点に注意してください。
注意点A:2年契約だとauエリアが無料にならない
旧料金プランの3年契約なら、「ギガ放題」「フラットツープラス」問わずオプションで1,005円の「ハイスピードプラスエリアモード(auエリア)」が無料になっていました。(使った月だけの支払い)
新料金プランの契約は「2年」のため、ハイスピードプラスエリアモードは有料(1,005円)です。
例外として、「auスマートバリューmine」を契約している月は、ハイスピードエリアモードはかかりません。ただし、同オプションで7GBを超えるとWiMAXも含めて制限がかかってしまう点にも注意しましょう。
auエリアが無料ではない点も、新料金プランの注意点です。
注意点B:「期間条件なし」や「自動更新なし」は月額料金が上がってしまう
「期間条件なし」や「自動更新なし」を選択できるようになった一方で、月額料金は上がってしまうので注意が必要です。
- 2年自動更新なし:26ヶ月目以降から4,050円/月
- 期間条件なし:初月から4,050円/月
短期間の利用や今後の計画が不明な場合は「期間条件なし」、長期間の利用が前提なら2年の「自動更新あり」「自動更新なし」を選んだほうが良いでしょう。
「2年自動更新あり」以外は月額料金が上がってしまう点も、注意が必要です。
WiMAXの旧料金利用者は新料金プランに移動できるのか?
結論を先にいうと、旧料金プランを解約する場合は契約時の違約金がかかります。
旧料金プランから新料金プランへの移行は可能ですが、旧料金プランから数える1回目の満了月以降でなければ申し込むことができません。つまり、旧料金プランで契約する人は2年なら契約から2年後、3年なら契約から3年後にならないと新料金プランへ移行することはできないのです。
ただし、旧料金プランから新料金プランへ移行するときの違約金はかかりません。
各プロバイダの違約金事情
各プロバイダの9月現在の違約金は以下の通りです。10月以降の違約金の情報についてはどのプロバイダもまだ開示されていません。おそらく、今後は回線元のUQ WiMAXの料金プランの改定に伴って各プロバイダも変更していく可能性が高そうです。
GMOとくとくBB | BIGLOBE | Broad WiMAX |
---|---|---|
1〜24ヶ月目:24,800円 | ・1〜12ヶ月目:19,000円 | ・1〜12ヶ月目:19,000円 |
・25ヶ月目以降:9,500円 | 13〜24ヶ月目:14,000円 | 13〜24ヶ月目:14,000円 |
・更新月以外:9,500円 | 25ヶ月目以降:9,500円 | 25ヶ月目以降:9,500円 |
更新月以外:9,500円 | 更新月以外:9,500円 |
今後のキャンペーンへの影響と新料金プランの評価
キャンペーンは弱くなると予想
今後は、キャッシュバックや大幅な月額割引などキャンペーンの特典は弱くなることが予想されます。
どのプロバイダも、一定数の人が違約金を支払う事を想定し、違約金で生まれた利益の一部をキャッシュバックなどのキャンペーンに充てています。
たとえば、GMOとくとくBBのように高額なキャッシュバックを設定しているプロバイダは、違約金も高い傾向にあります。キャッシュバックの受取りまで期間があるうえ方法も少しややこしいため「キャッシュバックを受け取らない」人も一定数いて、こちらも収益につながっています。
月額や初期費用も上がる可能性がある
また、違約金が1,000円になると実質いつでも解約ができる状態になります。
これの何が問題かと言うと、利用者の平均利用期間が大幅に短くなることが想定されるからです。例えば1ヶ月で解約されてしまうとプロバイダは大きな損失を被ります。
通常、プロバイダは月額を決める際に利用者の平均利用月数を考えて算出します。利用者の平均利用期間が短くなると、プロバイダ側は短期間で利益を上げる事が必要となります。
早い話が、今後月額料金が上がったり、端末を有料にしたりと初期費用が今までより大きく上がる可能性が高いと私は思います。
UQ WiMAXを検討中の人は、新料金プランに変わる2019年10月1日以降の契約がお得です。長期期間というより、少しの間だけ試してみたいのならほとんど損をすることはありません。ただし、今後は各プロバイダも料金を変更していく可能性も高いため、急いで契約する予定がないなら少しの間は様子を見てから契約するのも良いでしょう。