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置くだけwifiとは? 利用するメリットデメリット

 

置くだけwifiとは、工事不要でスグにネット利用できる据え置き型のWifiサービスの事です。昭和世代の方なら、ホームルーターと言えば分かり易いでしょうか。現在は別途ネット回線を導入する必要もなく、契約後スグに利用できるネット回線として、普及してきています。

 

特徴としてはモバイルルーターに比べて電波が強く、自宅の固定回線の代わりとして利用できます。

 

提供する企業も増えてきたサービスですが、利用する側にとってどんなメリットやデメリットを簡単にまとめています。

 

 

置くだけWifiのサービスを提供している4社

  • au
  • Softbank
  • docomo
  • WiMAX

 

現在置くだけWifiのサービスを提供しているのは、「au」「Softbank 」「docomo」「 WiMAX」の4つです。置くだけWifiのサービス名や、料金、キャンペーン等に違いがありますので、吟味して選ぶ必要があるんです。

 

4社のザックリとした特徴

au

auは「auスマートポート」という名称でサービスを提供しています。auショップでの契約が可能で、au携帯を契約中の方なら、スマートバリュー等の携帯割引も適応になる特徴があります。WiMAXのサービスと同様、WiMAX2+回線とLTE回線を利用した通信が利用できます。

 

Softbank

Softbankの置くだけWifiは「SoftbankAir」と「モバレコAir」の2種類が提供されています。以前はSoftbankAirのみでしたが、モバイルWifiの「どんなときもWifi」を提供している、グッド・ラック社と共同でモバレコAirの販売もしています。

 

別の記事で料金比較もしていますが、全く同じサービスですが実は「モバレコAir」の方が大幅に安く利用できるサービスです。恐らく双方のユーザー獲得にメリットがある為、提携して販売しているサービスと考えられます。携帯割引も適応になるので、Softbanにて置くだけWifiを利用する場合は、モバレコAirの方が良さそうですね。

 

docomo

docomoが提供している置くだけWifiは、「ドコモ置くダケWifi」というサービスがあります。しかし基本的には法人向けのサービスで、auやSoftbankの様に携帯割引の適応や個人が利用できるサービスはありません。

 

どうしてもdocomoでとお考えの場合は、テザリングサービスで対応する方法もあります。docomoの場合はSPモード(月300円)に加入すればテザリングが利用可能ですが、置くだけWifiに比べ通信容量も少なく、制限も掛かりやすいので、自宅回線としての利用にはあまり適していないのが現実です。

 

WiMAXプロバイダ

WiMAXプロバイダ各社が提供する置くだけWifiは、速度や提供サービスはほぼ同じですが、料金やキャンペーンが異なるのが特徴です。「とくとくBB」「BroadWiMAX」「ビッグローブ」等、幅広いプロバイダがあり、キャッシュバック等の特典が比較的大きいのも特徴の1つです。

 

元々普及してきている、モバイルWifiの端末を据え置きタイプに変えただけのサービスですが、モバイルWifiの価格競争が激しい事もあり、月額価格が低く設定される傾向にあります。契約の際は、各プロバイダホームページからの申し込みが可能です。

 

次に、置くだけWifiのサービスのメリットやデメリットを見ていきましょう。

 

置くだけwifiのメリット

  • 工事無しで、すぐ利用できる
  • 初期設定も楽ちん
  • モバイルWifiよりも通信が安定している
  • 光回線よりも月額が安い場合がある
  • 転居時の手続きが楽チン

 

工事無しで、すぐ利用できる

置くだけWifiの最大のメリットは、初期工事無しでスグに利用できる事です。店頭であれば最短即日から利用開始が可能で、ネット申し込みの場合も、3日〜1週間程度で利用を始められます。

 

例えば光回線などを利用する場合は、導入の工事、工事費用、無線利用の場合は別途無線設定が必要になりますが、初期導入の際の費用や手間が掛からないのはメリットと言えます。スグに利用したい方はもちろん、自宅に配線を這わせたくない方にとってもメリットを感じられるでしょう。

 

初期設定も楽ちん

光回線等を利用の際、Wifi設定する場合は多少の知識と時間が必要ですが、置くだけWifiの場合は初期設定が簡単なのもメリットと言えます。提供サービスによって多少異なりますが、アプリやネット上から手順に従って設定するだけで、時間もさほど掛からない特徴があります。

 

詳しくない方にとっても、簡単に始められるので負担は少ないでしょう。

 

モバイルWifiよりも通信が安定している

置くだけWifiの端末は、複数人で同時利用するケースを想定して、モバイルWifiよりアンテナ性能も良く、通信が安定しているのも特徴です。干渉を受けやすい、電子機器やレンジ、テレビ等の近くへの設置を避ければ、基本的な回線の安定度は高いと言えます。

 

また、対象となる機器に向けて、干渉を受けにくい電波を送ることができる「ビームフォーミング」の機能を搭載した端末もでてきています。今までは、隣家の電波や周辺環境によって、速度低下を招いていたユーザーも、以前より安定してネット利用できる場合もあります。ストレスの少ない安定度は、どのユーザーにとってもメリットになるでしょう。

 

光回線よりも月額が安い場合がある

置くだけWifiの料金を光回線と比較しても、安く利用できる場合があります。キャンペーン等を含めない、月額料金の目安としては、以下の表になります。

 

サービス名 戸建て 集合住宅
置くだけWifi 2,000円〜4,000円前後 2,000円〜4,000円前後
フレッツ光 5,500円前後 3,500円〜4,000円前後
携帯キャリア系光 5,000円前後 4,000円前後

それぞれの料金は目安になりますが、特に戸建てでは、光回線に比べて2,000円〜3,000円程度安く利用することも可能です。また集合住宅で利用している場合も、光回線加入から数年経過している場合やプランによっては、置くだけWifiの方が安く利用できる場合もあるでしょう。

 

転居時の手続きが楽チン

置くだけWifiの場合、転居時に利用先の変更を申請し、端末を移動するだけで転居の手続きが完了します。

 

固定のネット回線の場合は、転居申請が複雑だったり、一旦解約が必要な場合も少なくありません。仕事等で異動が多い場合は、手続きの手間も大幅に省く事ができる為、メリットを感じられるでしょう。

 

置くだけwifiのデメリット

  • 外に持ち出せない
  • 通信制限が設けられている
  • 光回線に比べると、安定度に劣る

 

外に持ち出せない

モバイルWifiの様に、外出先に持ち出すことができないのは、置くだけWifiのデメリットです。利用する際は、基本的に利用場所の申請が必要になり、申請した場所でのみ利用が可能です。友人の自宅で利用したい場合など、別の場所で利用する事はできなくなっています。

 

自宅で利用する時間が少ない場合や、外出先でも利用したい場合は、モバイルWifiの方が適していると言えます。

 

通信制限が設けられている

WiMAX各社の置くだけWifiと、同じWiMAX回線を利用するauスマートポートは、どちらも利用するデータ容量によって、通信制限が設けられています。基本となるのは3日で10Gの容量。これを超えると約1Mbpsでの利用になります。

 

またSoftbankのモバレコAir等に関しては、基本的には利用制限はありません。しかし、多くのユーザーが利用する時間帯や場所によっては、回線が混み合うリスクも高い為、逆にあまり利用しなくても、速度制限時と同様の環境になるケースがある様です。

 

光回線に比べると、安定度に劣る

置くだけWifiは、無線での通信になる為、有線の光回線に比べると安定度は劣ると言えます。次の記事で詳しく検証していきますが、特にオンラインゲームのスムーズな進行に必要となるPing値は、光回線の方が安定している場合も多いのが現状です。

 

通常の利用の場合は、さほど気になる事はありませんが、ネットゲーム等を利用される場合は、速度や安定度を確認して契約する必要があるでしょう。

 

置くだけwifi 4社の比較

月額料金を比較

置くだけWifiサービスの月額料金を比較して見ていきましょう。auはauスマートポートと言うサービス名ですが、利用する端末はWiMAXのホームルーター(L02、L01、WiMAX Home 01)Sです

 

「au」「Softbank 」「docomo」「 WiMAXプロバイダー」の4社が提供しているサービスですが、docomoは法人向けである為除外し、代わりにSoftbankのモバレコを入れて比較してみます。

 

月額料金(1〜2ヶ月) 月額料金(3〜24ヶ月) 月額料金(25〜36ヶ月) 携帯割引
WiMAX(GMOとくとくBB) 2,170円 3,480円 4,263円 auスマートバリューmine
auWiMAX 4,380円 4,380円 4,880円 auスマートバリューmine
SoftbankAir 4,300円 4,300円 4,880円 おうち割
モバレコAir(Softbank) 2,470円 3,844円 3,844円 おうち割

※モバレコAirの料金は端末を最初に購入した場合です

 

上記の表を見ると、WiMAXプロバイダーの1社「GMOとくとくBB」がかなり安い料金設定になっています。モバイルWifiの価格競争の中で、WiMAXプロバイダ全体として料金は下がってきていますが、その中でも安いサービスと言えます。

 

また、auWiMAXとSoftbankAirはほぼ同額ですが、後発のモバレコAirはWiMAXプロバイダに近い安価な料金設定となっています。最初の3年はGMOとくとくBBが安いですが、長く利用する場合はモバレコAirも検討の余地がありそうです。

 

利用している携帯割引や、キャッシュバック、利用する際の速度等を含めて検討すると失敗が少ないでしょう。では、失敗のないサービス選びを進める為に、次はサービスの速度と実測値について検証していきましょう。

 

理論速度(ベストエフォート値)と実測値を比較

置くだけWifiの個人向け利用サービスを提供している、「au」「Softbank 」「 WiMAXプロバイダー」と光固定回線の、理論速度と実測値を比較していきましょう。ちなみに、理論値とは、サービス提供側が提示している通信速度の理論上の最大値であり、実質の速度を保証しているものではありませんので、注意が必要です。

 

広告やチラシで表示されている速度は「理論値」ですが、実際の利用の場合は「実測値」が重要になります。今回はサンプル数の多い、速度計測サイト「みんなのネット回線速度」を利用して実測値を調査しました。

 

理論値下り/上り 実測値下り/上り Ping値
WiMAX

440M/75M※
設定により下り最大1.2G

61.34Mbps/8.6Mbps 74.53ms
Softbank

481M/不明
※一部地域下り再最大962Mbps

33.91Mbps/5.37Mbps 70.42ms
au

440M/不明
※設定により下り最大867Mbps

データなし データなし
光回線 共に最大1G 170.7Mbps/142.2Mbps 27.2ms


まず、理論値から見ていくと置くだけWifiのサービスは、ほぼ同じ速度でのサービス提供をしている事が分かります。WiMAXとauスマートポート、Softbankの据え置きWifiには、通常の速度以外に最大値がありますが、これはハイスピードエリアモード(WiMAX+2)やLTEを使用した場合の速度になります。

 

実測値については、置くだけWifiではWiMAXプロバイダのサービスが、約2倍の実測値が出ています。また、ネットユーザーの増える夜間の速度は、WiMAXは多少速度が落ちる程度ですが、Softbankは平均値で下り6.6Mbpsとなっているので、夜間利用の頻度が多い方は注意が必要です。

 

利用制限も無い為か、夜間は極端に速度が落ちる場合があるので、夜間利用の頻度が多い方は、しっかりと検討した方が良いでしょう。

 

Ping値重視なら光回線

また、ネットゲームの頻度が高い方については、Ping値の値も低い光回線が良いかもしれません。激しいネットゲームで、Ping値30~50ms以下が目安と言われていますので、光回線だとラグが少なく利用できるでしょう。

 

しかし短時間のゲーム利用や、激しいネットゲームでなければ、据え置きWifiでも十分に対応できます。据え置きWifiの端末には有線で接続できる機器もあるので、有線で利用することで、無線利用に比べ、安定した速度で利用できるでしょう。

 

キャンペーンの比較

置くだけWifiを検討するに当たって、月額料金や速度の次に大切なのが「キャンペーン」の内容です。携帯の加入に関してはキャンペーン規制も多くなってきましたが、Wifiにおいては、キャッシュバック額も比較的高く、利用価格にも影響する重要な要素となっています。

 

法人向けのdocomoを除く、3社のキャンペーン比較が下記になります。WiMAXプロバイダはGMOとくとくBBを例に上げて見ていきましょう。

 

キャンペーン内容
WiMAX(GMOとくとくBB) 30,550円キャッシュバック
auWiMAX 実施無し
モバレコAir(Softbank) 20,000円キャッシュバック

キャッシュバック額を見ると、WiMAXとSoftbankでは1万円程度WiMAXの方が金額が高くなっています。

 

またauスマートポートについては、キャンペーンは現在行われていません。サービスを検討する際は、月額金額だけでなく、キャッシュバックも含めて試算するとお得に利用することができます。

 

置くだけWifiを選ぶ際の注意点

利用可能なエリアを確認しておく

置くだけWifiを検討する際に、注意が必要な点としては「利用エリア」と「利用期間」も忘れてはいけません。

 

「利用エリア」は電波が受信できるエリアですが、大まかな基準としては、地方や山間部は携帯キャリア系Wifiの方が利用しやすく、都市圏や市街地ではWiMAXプロバイダの方が利用しやすいと言えます。

 

しかし、利用場所によっては、地方でもWiMAXの方が通信が安定していたり、都市圏でも携帯キャリア系Wifiの方が使いやすい場合もあります。通信に関しては利用環境にも左右される為、お試し利用のサービスや情報を調べるなどして、自身の利用環境に合ったものか検証する事が大切です。

 

利用期間

また「利用期間」については、サービスごとに契約期間が設定されており、契約期間内の解約の場合は契約解除金や、違約金が必要になるのが一般的です。Softbankやauの置くだけWifiの契約期間は2年。違約金は9,500円で設定されています。

 

WiMAXについては、サービスによって異なりますが、GMOとくとくBBの場合は3年契約。3年目の違約金は携帯系Wifiと同じ9,500円ですが、1年目解約の場合は19,000円、2年目解約の場合は14,000円の違約金が必要になります。

 

GMOの場合はキャンペーンや割引も大きい為、違約金が高くなるのも当然と言えば当然ですが、違約金も視野に入れて計画すると良いでしょう。

 

置くだけwifiの評価 4社の中でどれを選ぶか

私のネット使用の用途としては、仕事での利用と一般的なネットサーフィン、動画視聴などがメインです。毎月の料金や速度、対応エリアとキャッシュバックを比較すると、私の場合はWiMAXプロバイダ(GMOとくとくBB)の置くだけWifiが合っているようです。

 

家族みんながau携帯やSoftbank携帯を持っている場合は、家庭のトータルの費用を試算すると比べる余地もありますが、それ以外の方は、通信エリアであれば今のところWiMAXプロバイダ一択かもしれません。

 

また2年以内の解約の場合、違約金が高額になる懸念もありますが、近年では乗換えの際に、違約金分のキャッシュバックを実施しているサービスも増えてきています。上手くサービスの乗換えを行うことで、違約金の懸念も軽減されるので、利用期間が決まっていない方にとっても、利用しやすい状況と言えるでしょう。

 

1人暮らしや仕事での利用をしている方、動画視聴を家族の多くが同時にする場合は、夜間の速度低下はストレスになる為、利用シーンも想定しながら検討することをお勧めします。今回の内容を参考にして頂いて、ご自身の環境や利用方法に合った置くだけWifiをお選びくださいね。

 

 

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